パーソナルエフェクツ 第2回『Gassyoh』
ニコニコ動画やマイスペースなどを作品発表の場として活躍する音楽クリエーターの作品を、インターネット上で配信する音楽レーベル・Maltine Records(マルチネレコーズ)。同レーベル主宰のトマド(tomad)と、主な作品のグラフィックを担当するGraphersRockのデザイナー岩屋民穂(タミオ)がレーベル参加アーティストを紹介する対談型インタビュー。今回はマルチネ初期からレーベルに参加し最もリリース数の多いDJ、トラックメーカーの「Gassyoh(合唱)」が登場! 様々なダンスミュージックの要素を取り入れ、独特の解釈でリリースしていくGassyohの意図とは?
タミオ :マルチネのコンピレーションCD『MP3 KILLED THE CD STAR ?』(※マルチネレコーズ初のコンピレーションCD。絶賛発売中です!)がリリースされたけど、どう? 遂に発売になってみて。
tomad:今までのやり方だと完成した作品をその日のうちに出せたので、やっぱりCDは大変でしたよね。
タミオ:そうだね。ネットレーベルの強みの部分だもんね。「データもらったらいつでも出せるぞ!」みたいな。新鮮な状態で出せるというか。
tomad:多分『MP3 KILLED THE CD STAR?』は、企画してから半年以上かかってますし。
タミオ:初めてミーティングをしたのが昨年末だったから…10ヶ月ぐらいかな。 何が大変だった?
tomad:ゲキをとばしたりとか(笑)、色んなスケジュール管理だったり。まあ、僕は大変じゃないですけど(笑)
タミオ:でも、今までのデータだけのリリースだったのが実際、物質的な形になってみてどう思う?
tomad:いやぁ、嬉しいですけど。
タミオ:「物質的なものはやっぱりダサいな」みたいなのはないんだ?
tomad:ダサいとかはないけど、ちょっと大変すぎでしたね。CDは多分これっきりだと思います。
タミオ:個人的には32ページのブックレットを付けることができて嬉しかったな。いろいろと実現するまで大変だったけど。
tomad:あと聴きどころとしてはnonSectRadicals(※80年代から活動を続けているMIDの田村雅章(マチャール)とTHE JG’sの三好史(いぬ)による、エディットDJチーム。マルチネからは[MARU-064]nonSectionをリリースしている。)によるメガミックスが…よくぞここまで仕上げてくれたなぁと。
タミオ:あれだけバラバラな楽曲を(笑)
tomad:また個々のアーティストたちには、一応ノーサンプリングっていう体で頑張ってもらったんです。
タミオ:今回は普段のマルチネのリリース方法と違って、著作権的なものを全てクリアにするって縛りがあったから。そういう面では色々とみんな大変だったかもしれないね。
tomad:「それでもコレだけできるんだぞ!」っていう。
タミオ:ある意味、達観できた感じ?
tomad:まだまだ全然、世界狙っていきたいし(笑)
タミオ:じゃあそろそろ、今回のゲスト、Gassyoh(合唱)君に登場してもらって始めましょう!
Gassyoh:どうも。
タミオ:宜しくお願いします。僕の中でGassyoh君って謎の男というイメージがあって、そもそもGassyoh(合唱)という名前を不思議に感じてる人も多いと思うんだけど、、その由来は?
Gassyoh:それは僕が「2ちゃんねる」の「CLUB VIP」(※2ちゃんねるのVIP内にあるクラブミュージックに関するスレッド。)というVIP板のスレッドでネットを使ってストリームのDJをしていたんですけど、その時最初は名無しでやっていて、毎回必ず放送の最後に合唱曲を流して終わっていたんですね。で、2回目3回目とやっていると、リスナーの人が個人を特定しようとして。ある時「合唱曲を最後に流していたのは僕です」と言ったら「ああ、あの人だったんだ」という具合にわかってもらえて、それからコテハン(※固定ハンドルネームの略。)を「Gassyoh」にしたんです。
タミオ:「CLUB VIP」をやってたのって何年ぐらい前?
Gassyoh:五年前です。
タミオ:まだその頃ってUstream(※リアルタイム動画配信サービス。通称「Ust(ユースト)」。それまで個人がネット上での生放送をするのには面倒な設定や知識が必要だったが、Ustreamの登場によりweb上で簡単に生放送を行なうことが可能となった。)とかなかったし、どうやって放送してたの? 自分でサーバー立てる感じですか?
Gassyoh:その頃は、Winamp(※Windows用の定番メディアプレイヤー。)の『SHOUTcast』(※ストリーミング放送用サーバーの構築ソフト。)を使って放送していました。特定のサイトからではなく、放送する人の家のパソコンに直接繋ぎにいくような形で放送してましたね。ADSLだったりするとアップの速度が凄く遅いから、音質悪いとかそういうこともあったりしてなかなか大変でした。
タミオ:その頃はストリーム配信ってちょっと敷居が高い感じだったよね。
Gassyoh:配信したいっていう人がスレッドに来ると、その人に手とり足取り全部教えて放送できるようにしてました(笑)
タミオ:そもそも「CLUB VIP」ってどういう経緯でできたの?
Gassyoh:最初はそのVIP板で垂れ流しスレッド、例えばアニソン垂れ流しとかJ-POP垂れ流しとか、洋楽、ロック垂れ流しとか色々あったんですけど、僕もやろうと思ったときにクラブミュージック版がなかったんですね。それで、そういうクラブミュージック専門のスレッドを立てていたら注目されて。最初の頃は単発のスレッドだったのが名前がついて連続で続くようになっていった、という感じです。
タミオ:Gassyoh君が「CLUB VIP」を作ったということ!?
Gassyoh:ということに一応なります。
タミオ:そこにtomadも出入りをしてて?
tomad:普通に「VIP板」は見てて(笑)。クラブミュージックもまあ徐々に聞き始めて「こんなことやってるんだぁ」みたいな。
タミオ:僕の世代だとクラブミュージックを聞くのにまず「2ちゃんねる」を調べるってのがもう未知数というか、想像つかないもん。ちなみGassyoh君は今いくつですか?
Gassyoh:今23です。
タミオ:tomadよりちょっと上だ。マルチネとの出会いっていうのはどういうとこから?
Gassyoh:マルチネは「CLUB VIP」で誘われて。最初のコンピレーションの時だよね。
tomad:『NO shit No life』(※マルチネの初期にリリースされたコンピレーション。ぐちょんやDJテクノウチ、imoutoidの別名義であるファミコン宇宙人等が参加している。)だ。














