パーソナルエフェクツ 番外編『EXTRA DISC GUIDE』
ニコニコ動画やマイスペースなどを作品発表の場として活躍する音楽クリエーターの作品を、インターネット上で配信する音楽レーベル・Maltine Records(マルチネレコーズ)。同レーベル主宰のトマド(tomad)と、主な作品のグラフィックを担当するGraphersRockのデザイナー岩屋民穂(タミオ)がレーベル参加アーティストを紹介する対談型インタビュー。今回は特別企画として、これまでに登場したもらったゲスト5名+進行2人のセレクトしたディスクガイドをお届けします!
タミオ:パーソナルエフェクツ5回目ですね。今回は趣向を変え、ゲストを毎回呼ぶという感じではなく、「特別企画」ということで、これまでに登場してもらったアーティストを含めた、ディスクガイド的な企画をお届けいたします!
tomad:わー。
タミオ:一応、僕の方から趣向を説明しとくとさ、僕らがセレクトした音源からマルチネとその周辺に影響を与えているものがなんなのかってことを読み取ってもらいたいなっていう意図と、昔ってネットで視聴とか出来なかったから、雑誌なりwebにのってるディスクガイドすごい細かくチェックして、実際にCDなりレコード買ってたんだけど。あんまりそういう習慣なくなっちゃったなって思ってて。で、今あえて90年代のディスクガイドの本見ると、それ片手にYouTube巡りとかするのがすごい楽しかったりするの。そこに載ってる音源が大体全部聴けちゃうから。そういう楽しみ方をしてもらってもいいかなっていうのと、あとマルチネからクラブミュージックに興味を持ったけど「何聴いていいかわかんねー」って人もいると思って。そういう人のガイド的なものになればいいかな、というような趣向で楽しんで頂ければと思ってます。
tomad:はい。
タミオ:で、ちょっと導入部のトークという感じで。僕とTomadと、あと飛び入り参加の芳川よしのの3人で、マルチネの2010年を振り返って総括みたいなことができればなと。
芳川よしの:ちょっと早い…でも後1ヶ月かあ。
タミオ:2010年最初のリリースってなんだっけ?
tomad:Gassyohの『EarthBound ep.』(※MARU-060としてリリース。某有名RPGのネタを使ったトラック「Porky!」を収録)が、1月2日に出てて。それで今のところ年内で23タイトル出してます。
タミオ:結構出してるね。
tomad:でも去年と同じペースぐらい。
タミオ:今年は1月に「AIR BUBBLE」を中野のheavysick ZEROでやって。それからパーティが盛りだくさんだったよね。
tomad:三部作っていうのがあって、あれね、「AIR BUBBLE」「Lost Decade」「終わらないアーバンソウル」といきなり立て続けに3回やった。まあ、Okadada(※滋賀県出身、大阪で主に活躍しているDJ、トラックメイカー、昨年のクリスマスに行なったDJのUstが2000viewをたたき出し、一躍注目を集めた)効果ってのがまずありまして(笑)。
タミオ:2009年のクリスマスにOkadadaがUstで2000viewいってから一気に注目集めて。
tomad:その人気を引きずるような感じで(笑)。
タミオ:「AIR BUBBLE」やって「Lost Decade」「終わらないアーバンソウル」「わくわく大運動会」、で「CDリリースパーティ」。「Apple storeでの配信リリースパーティ」、「KANJI KENTEI 再試験」、UNITでの「THE 荒川智則」。と、すごい今年はいっぱいやってるよね。
tomad:多分もうやんないと思いますね。
芳川よしの:年内は。
タミオ:1234567…8回もやってんのかパーティ。すげえやってんなあ。
tomad:最初の3つ1週間ぐらいでほとんど。
芳川よしの:連続してやってたよね。1月末、2月頭。
タミオ:「AIR BUBBLE」の時はheavysick ZEROか、あの規模で今年一発目やって、UNITまでと。
芳川よしの:いや、凄い進歩ですよね。
タミオ:このシンデレラストーリーっていうか、サクセス。
tomad:UNITはチートをたくさん使ったんで(笑)。いろんなものに書き換えるっていう。
タミオ:UNITで実際やってみてどうだった? 感触としては。
tomad:いやあ、まあ相当、一番頑張りましたよ、かつてない頑張り。イベント決まったのが開催の三週間前で…。
芳川よしの:よく告知したよね。あのさ、インターネットミームである荒川智則をフィーチャーして告知したのは大正解だと思うんだよね。
tomad:そういうのも全部作戦のうちですよ。
芳川よしの:おお言いますねえ(笑)。
tomad:しかも、中途半端なのでマルチネ単体であんまりやりたくないってのがあって。ゆるい感じに。
タミオ:それでもね、お客さん沢山来てくれたし、盛り上がって嬉しかった。
芳川よしの:結局何人入ったんですか?
tomad:まあ500人ぐらい?
タミオ:でも大成功でよかったよ本当。よしの君は実際あそこのステージでやってみてどうだった?
芳川よしの:やった感触としては、MOGRA(※秋葉原のクラブ。マルチネのパーティーをやったり、それ以外のイベントにもマルチネのアーティストがよく出演している)と大して変わらない気がしたんですよ。客としてはMOGRAのキャパは大体100人から150人。100人としたら、単純計算5倍のキャパあるはずなんですけど。全然そんな感じしなくていつも通りに。
タミオ:全然緊張せず?
芳川よしの:緊張せず酔っ払って。
タミオ:(笑)。
tomad:駄目だよもっと緊張してやんないと。
芳川よしの:何言ってんですか。変に緊張しすぎるとよくないからさ。
tomad:どこぐらいになって緊張するの?
芳川よしの:東京ドームぐらいかな(笑)ひどいねこのビッグマウスっぷりね。今日本当ダメだわ。
タミオ:でも今年はリリースのいっぱい出したしパーティもいっぱい打ったし、メディア露出も多かったし、活気づいた1年だったかもね。
tomad:あとはまあ、アーティストの皆さん色々ご活躍してましたしね(笑)。
芳川よしの:各方面で。
tomad:FPM(※DJ、プロデューサーである田中知之のソロユニット)のリミックスとか。
芳川よしの:やりましたね。
タミオ:そうだよね。今年はマルチネからリリース以外にもさ、いろんなリミックスだとか外仕事が入ってきてるよね。
芳川よしの:そういう意味でマルチネって閉鎖的空間が外に開けた1年かなって思いますね。
tomad:あとCD出しましたからね
タミオ:CDが出ることによって色々なメディアに名前が出たので、それは大きかったかなあ。
芳川よしの:大きかったですね。
芳川よしの:ナタリーに何回名前が載ったかっていう。
tomad:別に2回ぐらいでしょ(笑)。
芳川よしの:おっしゃる通りなんですけど(笑)。
タミオ:CD話のついでだけど、あれのアナログ盤も出るでしょ?
tomad:CDからフロア向けの曲を厳選してアナログになります。
芳川よしの:まず自分の入らないじゃん。しょんぼり。
タミオ:収録アーティストもここで発表しちゃって大丈夫?
tomad:tofubeatsと、Okadadaと… 三毛猫ホームレスと、Quarta 330にラスベガスの5組です。
タミオ:こないだラスベガスさんに「アナログ盤に入りますよ」って言ったらすっごい喜んでた(笑)。
tomad:12月中ぐらいですかね。年内予定のつもりです。
タミオ:よしの君の新作の方は? 年内リリース?
芳川よしの:そうです、年内目標で。。。今準備進めてまして。トラック自体は全部できていて。後はその他の残りの作業というか。
タミオ:あとはジャケット…。
芳川よしの:ジャケット、そしてリミックス…と他に任せてるもの待ちですね、
タミオ:ジャケットはあのflapper3のyako(※映像チームflapper3を率いる映像作家。VJとしても活躍している)さんとGraphersRockことオレで、コラボワーク展開してます。
芳川よしの:ドリームチームですね。すばらしい人々が集まってくれて。リミックスもRE:NDZさんことlivetuneのkzさん(※livetune名義での初音ミクを使ったトラックが話題を呼び注目を集めているトラックメイカー。マルチネからはRE:NDZ名義で作品をリリースしている)に、やって頂いてます!
タミオ:それじゃ2011年はどんな感じでいきたいですか?
tomad:2011年は、逆に地下に潜ろうかな(笑)。
芳川よしの:ポップ路線とか言ってたのは?
tomad:ポップ路線はやりますけど、それはまあ前半で。あと世界。
タミオ:世界進出!
tomad:地下から世界へ!(笑)
タミオ:そんな感じで、2011年もひとつよろしくお願いしますということで。
芳川よしの:はい。よろしくお願いします、今後とも。
タミオ:おいtomad、最後の締めの一言何か…(笑)。
tomad:2011年もマルチネレコーズを要チェック!!!!
一同 (笑)。
タミオ:というわけで、引き続き企画本編のディスクガイドをお楽しみくださいー!
・tomad「音楽遍歴の中でターニングポイントとなった1枚」
小学生から今までの音楽遍歴の中で、これを聞いて新たなステージに入ってしまった5枚のCDを紹介します。このリリースに出会ってなければ今の自分はなかった。そんな感じのセレクトです。
ミニモニ。 – ミニモニ。テレフォン! リンリンリン/ミニモニ。バスガイド小学生高学年だった僕はハロープロジェクトに夢中だった。初めて買ったCDもたぶんモーニング娘。だったと記憶している。狂ったようにアイドルソングを学校で歌いまくっていた。その中でも最も中身がなさそうで一番好きだったこの曲を選びます。こんなアホみたいな音楽がオリコン1位なんだって凄い。
RIP SLYME - Oneテレビで聴いて、直感的に良いと思い購入。RIP SLYME、RHYMESTER、KICK THE CANCREW等の日本語ラップが盛り上がった時期だったので、どんどんとその周辺を漁っていく。中学1年生の頃は日本語ラップしか聞いてなかった。でもやはりRIP SLYMEが一番かっけえ。
電気グルーヴ – FLASH PAPA MENTHOLP2Pの海に紛れて突然10年もの月日を巻き戻る。テクノという新たな教養が僕の脳に押し込まれる。日本語ラップからの流れで電気グルーヴ。だから、FLASHPAPA MENTHOLというチョイス。当時は全く流行ってなかったしよく分からないなと思ったが、どこか引っかかるものがあり好きだった。
Aphex Twin – Richard D James Albumあいつの顔ジャケ。中学3年生ぐらいでこれに出会う。情緒的なのに攻撃的でも不安定で魅力的で、今ままで聞いたことのない音楽。このアルバムに収録されているMilkManを自分で歌っては録音してネットに上げるといった怪奇行動を僕に引き起こさせたりもした。青春の1枚。
kid 606 – Kill Sound Before Sound Kills You俗に言うブレイクコア。攻撃的なビートとサンプリングを駆使。数多くあるkid606の中でもこれが一番好き。00年代前半で一番重要なテクノのリリースを選べと言われたらこれを選ぶ。このノイズミュージックすら範疇に含むこのギリギリの音は、僕のDJや様々な活動全てに影響を与えた。














