TOKYO STOCK 第1回『四畳半主義模倣犯による神話大系概論』

『四畳半神話大系』より
そして、主演というかある意味、私という名の主人公というより、四畳半主義の朗読者となった声優さんもまた演劇出身だったということも、小説という脳内でそれぞれが語る繊細な部分を大胆に改変しつつ音にしていったにもかかわらず、まるで原作のままじゃないか、手抜きと言われるぐらい自然に編曲しているという離れ業を実現させたのだろう。最後に文字を画にするという意味での難しさは音の朗読を上回るだろう。ト書きが、本質的な中身であり個性ともいえる小説から、主成分である情景描写を画にするのである。これが、至難の業であることは誰の目にもあきらかだろう。だって瞼を閉じなければ見えるのだから。そういう意味で監督が、アニメーター出身であることや動かすことに長けた人だったことも大きな化学変化を呼んだといえる。何よりもデビュー作である『マインドゲーム』以来の原作もの、しかも今度は漫画ではなく小説というのも良い化学変化を呼んだ遠因かもしれない。
こうしてつらつらと言葉を重ねても私は、きっと四畳半主義者の本質には近づくことは出来ないだろう。なんといってもその本質は、延々と続く学生の怠惰だからこそ素晴らしい青春を描くことにあるのだから…。そう。百聞は一見である。
最後に、この文体の方でも拙いながらも私なりに四畳半主義者を模して綴ってみたのだが、あらためて模倣犯を気取ってみたことで見えてきたこともあった。あくまで個人的な私見であるが、この文体をそのまま脳内で、愛すべき僕らの声優、千葉繁氏の若かりし頃なトーンで再生してみると、…あら不思議、この感覚はまるで樋口師匠のように飄々とボンクラる押井守氏の脚本タッチとそっくりであることを再発見した次第だ。そうすると四畳半主義の原典が、やはり押井守氏による原作漫画から大幅に改変されたことで僕らの名作となった『うる星やつら2・ビューティフルドリーマー』であることがうっすら透けてきてしまったので、四畳半主義者を語る枠から脱線する前に、この原稿を送信することにしよう。
【PROFILE】
佐藤大:ストーリーライダーズ株式会社代表。アニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手がけている。代表作は『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、『サムライチャンプルー』、『交響詩篇エウレカセブン』、『エルゴプラクシー』、『FREEDOM』、『東のエデン』など。
佐藤大:ストーリーライダーズ株式会社代表。アニメーションの脚本執筆を中心に、さまざまなメディアでの企画、脚本などを手がけている。代表作は『カウボーイビバップ』、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』、『サムライチャンプルー』、『交響詩篇エウレカセブン』、『エルゴプラクシー』、『FREEDOM』、『東のエデン』など。
Public-Image.orgオフィシャルサイト
StoryRidersオフィシャルサイト
四畳半神話大系オフィシャルサイト














